半熟デザイナーがデザインを再構築する話①

社内研修

お久しぶりです。おしゃべり関西人Kです。
現場と現場の間が開いたので、少しブログ更新を再開します。

今回は真面目に、前職のことを生かしてデザインの話でもしてみようかと思います。
というのも、グループ会社にデザイナー志望の方がいるということで、私が得た知識なんかを
その方々に何か伝えられたらなと思いこのブログを書くに至りました。

Photoshopの技術は学んでいるけど、じゃあ実用的なことは何をしたらいいの?
実務ではどんな技術が必要になるの?
といったところも含めて解説出来たらな、と思います。

デザイナーの仕事について

まずここですね。ぶっちゃけデザイナーってなにすんねん、という話。
ざっくりとこの辺りが私が経験してきた実務です。

  • バナー制作
  • LP制作
  • ショッピングサイト・コーポレートサイトのデザイン
  • 運営サイトの運用・保守
  • 担当ショッピングサイトの運営補助
  • 簡単なhtml構築

この辺りは入る会社によって違うと思いますが、私が前にいたところは
主にECサイト(楽天やYahoo!ショッピングなどのショッピングサイト)の運営を担当していました。
なので業務内容にサイト運用が入ってきていますね。
あと「デザイナーはコーディング力があって初めてデザイナーとなる」という会社もあります。
コーディングとはホームページの構築のことです。
デザインから構築までやるデザイナーさんはかなり重宝されますし、
やりたいこと全部自分でかなえられるのでデザインもやっていて楽しいと思います。
コーディングとか無理!という方は、デザイン力を突き詰めることもそうですが、
やはりコミュニケーション力を鍛えましょう。
なぜそういうデザインにしたのか?
どういう風にサイトが動いてほしいのか?
といったことを、クライアントやコーダーさんにきちんと正しく伝えられるようになることが大切です。
品質管理の方にデザインの意図を説明する機会も多くあるので、
自分が作ったデザインについて説明ができるようになりましょう。

デザインをする前に

やっぱりデザイナーってセンスないとできないでしょ?
というのは、デザイナーやってますと言うとよく言われます。
正直、デザイナーにとっての「センス」というのは料理における黒コショウみたいなものです。
あるとより料理に深みが増す。それくらいの存在です。(時には重要なスパイスですが…)
というのも、デザイナーが求められていることは「クライアントがほしいものを作る」ことだからです。
だから自分のセンスを前面に出してクライアントが求めていないものを作っても、
それは仕事をしたことにならない、ということですね。
作品ではなく商品を作ることを考えて、成果物を作成します。
作品作りは自身の趣味作品やポートフォリオ用に作ることが多いです。
ただ、求められているものに少しのエッセンスとして自分のセンスを入れることができれば、
それはもうデザイナーとしての理想に近いのではないのかな?と思います。

さて本題。

デザインをする前に、半熟デザイナーは何をするか?
答えは「参考にするデザインを探す」です。

例えば、参画した案件でバナー作成を依頼されたとします。
条件はこんな感じ。

条件① ケーキ屋さんのショッピングサイトに掲載する
条件② プリンを新発売して、それを大々的に売り出すバナー
条件③ お店の雰囲気はカントリー系
条件④ 新発売のプリンの魅力は地元農家から買った新鮮な卵

さて、これらの条件で頭に「こんな感じがいいな~?」と浮かんできたデザインはありますか?
ないまま何十分も唸っていてはいられないので、とりあえずと無作為に何かを作ってみても
おそらくよほど知識とセンスがないと良いものを作るのは難しいでしょう。

そこで大事になってくるのが「参考を探す」こと。
ピンタレストやGoogleの画像検索を使って、いいなと思ったバナーを片っ端から保存します。
今回は「ケーキ屋さん・プリン・ショッピングサイト・卵」の条件があるのでそれに沿ったワードで検索します。
カントリー系という雰囲気も大事ですね。
ある程度参考が集まったら、それをもとに指定されたサイズでバナー制作に取り掛かりましょう。

  • 選んだデザインはどんな構成をしているか?
  • どんな色遣いをしているのか?
  • 使っているフォントはゴシック系か?明朝系か?
  • なぜ自分はそのデザインが参考になると思ったのか?

参考一つとっても、これだけのなぜ?なに?が出力されます。
時間があれば、一つ一つそのハテナをひも解いていきましょう。
そうしてたくさんのデザイン知識を身につければ、センスに自信がなくても求められるデザイナーになれます。
もし、ここで選んだ参考作品に不安があれば現場の先輩などに質問してみるのもいいでしょう。
未経験OKの現場であれば、おそらくしっかり見てくれるのではないかと思います。

というわけで、なんとも偉そうにデザイナー志望の方に向けて課題なんか出してみます。
課題は参考バナーの検索です。数種類のバナー制作の条件を提示するので、
それに合った参考作品を探してみてください。
時間があれば、ポートフォリオ用の作品として実際に作ってみてもいいですね。

大決算セールバナー

条件① サイズは500×500(px) 条件② ショッピングサイトでセールを開始する販促バナー 条件③ 最大割引率は60% 条件④ ファストファッションのアパレルショップ 条件⑤ ショッピングサイトの雰囲気はシンプル系

新卒採用スライド画像

条件① サイズは1024×587(px)のPC用サイトに掲載を想定 条件② 建設業の会社で新卒採用の募集を開始する 条件③ バナーは建設現場で働く女性社員を中心にしたい 条件④ サイトのイメージカラーは青

和菓子屋さんのお中元バナー

条件① サイズは375×677(px)のスマホ掲載を想定 条件② ショッピングサイトでお中元の販売を開始する販促バナー 条件③ 期間中は送料無料(2024/05/01~2024/05/31) 条件④ 本店は京都の老舗和菓子屋さん

そんなわけで、気が向いたらいろんなデザインを見てみてください。
長くなりましたが、今回はここまで。
次回は実践編です。